コンプレッサーのニー"knee"とは何か?

Knee(ニー)と呼んで字の如く、"膝"を意味します。コンプの膝?と疑問に思うかもしれませんが、より人間の耳に馴染む、自然なコンプレッサーの動作になくてはならない重要な要素です。

  1. "ニー"とは、コンプレッサーが
  2. より"音楽的"な動作をするために
  3. 重要な要素である。



アナログ・コンプの秘密

アナログ・モデリング系のコンプレッサーの説明などにおいて、ソフトニー"soft knee"という単語を見ることは多いかと思います。ハードニーからソフトニーに切り替えられる、というような説明もよく目にしますね。ニーってなんなんだろう?と最初は自分もよくわかりませんでした。

Kneeはratio、つまり圧縮率をあげるとコンプのグラフ上に現れます。

他の記事でも書いているように、コンプレッサーはスレッショルドを超えない限り、作動することはありません。つまり、ギリギリ超えない音量の音に対しては掛からないけど、ギリギリ超えた音に対してはコンプがかかる、という状況が起こり得ます。


これはスレショルド"threshold"を境に、急激に線が折れているからです。この状態を"ハードニー"と言います。下図のようになりますが、折れ目を境に極端に分かれてしまいます。

そのごく僅かな差は、ヒトの聴覚上ではほぼ変わりない音量です。なので、そうした掛かってない音と掛かっている音の差は、違和感になります。

それを解消するのが、ソフトニーです。図で丸みを帯びているのが分かると思います。
アナログ的特性、あるいはエンジニアの調整による産物か、アナログコンプにはこうした特性があり、アナログコンプのサウンドの秘密のひとつになります。



ソフトニーの働きについて

ソフトニーによる、スレショルド"threshold"付近が丸まるはどのように働くのでしょうか。

ニーが丸まることで、スレッショルドを超えなくても、接近具合に応じて、弱いコンプがかかるようになります。つまり図で言えば黄色の太はスレショルドを超えていませんが、緑のエリア、つまりソフトニーの効果範囲には届いているので、上の黄色の細線の傾き分だけ掛かります。

水色の太線は超えてはいますが、やはり緑の範囲内なので、黄色よりは強く、しかし正規のratioよりは弱いコンプが掛かるのです。


紫の太線は、明らかに超えているので設定した通りの正規のratioでコンプレッションされます。
このようにthreshold付近の音において、極端な差は無くなります。
ソフトニーのパラメータ(dB)を増やすということは、この図で言えば、緑の範囲を拡げる、ということになります。


ニー以前に、スレッショルドの設定自体(どのラインからコンプが働き始めるか)がまず大事ですが、ソフトニーにより人間の耳に自然な、より音楽的なコンプが掛かるということになります。



まとめ

以上のように、ソフトニーは極端なコンプの掛かり方を抑制、緩和するためのものであることがお分かりいただけかと思います。

もちろん極端に掛けたい、極端なピークを抑えたい、という場合は別ですが。


何より、まずはその音源の状態によりますので、それにふさわしい選択、調整が必要です。
現在のデジタル系コンプでも大抵ニーが設定出来るので、より自然になるように、コンプの動作を調整できるわけです。


うまく設定すれば、名器のアナログコンプも再現できるかも知れません。
しかし、そういう場合はアナログモデリングによるコンプを使うのが楽だと思います。


miur-us Logには、音楽制作に関する様々な記事があります!ぜひ!



miur-us.com

新たなる時代と新しいサウンドを。

0コメント

  • 1000 / 1000